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 「バレンタイン 」(パラレル)
 
     
 

 「ねぇ、チョコ用意した?」
 昇降口の整然と並んだ靴箱の向こうからそんな声が聞こえてきて、陽子は思わずぴくりと反応した。その声は、隣にいる誰かにささやきかける程度のものだったが、深刻と言うにはほど遠い軽やかなものだ。
 「もっちろん。当たり前じゃない」
 応える声もまた明るい。今日のこの日をいかにも待ちわびていたという気配が伝わってくる。
 きっと今日一日は、学校のあちこちで同じような会話が女子達の間でひそひそと囁かれるのだろう。そして放課後になる頃には、男子の間で、いくつもらったのだという話が自慢話のように声高に語られるのだ。それはもはやこの国では年中行事に等しく、陽子とてこれまで幾度となく目にしてきた光景である。
 しかし今まで、その行事に陽子が参加したことはない。
 「ねぇ、どこで買った?」
 靴箱の向こうの会話は、弾みながらなおも続く。
 「私はねぇ、駅前のデパ地下で」
 「あ〜、いっしょ、いっしょ。すっごい混んでたよね」
 「そう、全部見て回りたかったけど身動きとれないくらい人がいてさ。選ぶの面倒になっちゃって、もうゴディバでいいやって」
 え〜、と応える声が笑う。
 「そんなにいい加減に決めていいの?だって、あの人に渡すんでしょう?」
 「いいの、いいの。きっと色々迷っても結局ゴディバにしたもん」
 「まあ、王道だしね。私もねぇ、最初はゴディバにしようかと思ったんだけど、色々見て回って、ローゼンハイムの生チョコトリュフにしたの」
 陽子はその会話を聞きながら、我知らず鞄を持つ手に力が入っていた。二人の会話を聞いている内に、自分が用意したチョコがいかにもつまらなく貧弱なものに思えたのだ。
 これまでバレンタインに参加したことがない陽子だが、今年は思い切って用意した。今そのチョコは、まかり間違っても誰かの目に触れたりしないように鞄の奥底に押し込まれている。しかしそれはコンビニで買ったありふれたチョコレートなのだ。
 陽子は上履きに履き替えると、二人の会話を振り切るようにその場を後にした。しかし、今日はどこへ行っても女子の間で交される会話はバレンタインに関することばかり。その会話をさりげなく聞いていれば、どうやら主流は「ブランドチョコ派」か「手作りチョコ派」らしく、コンビニチョコを本命相手に渡す子などいないようであった。
 陽子はその会話を聞いている内に、昨日の夜に散々悩んだあげくにようやくした決心が段々鈍ってくる。
 陽子がチョコを渡そうかどうしようかと悩んでいる彼の名は浩瀚という。生徒会長を務めているひとつ上の学年の先輩だ。彼を初めて見たのは入学式の時。生徒代表挨拶で壇上に上がった彼を見た時、陽子の心臓はなぜかドキドキして止まらなかった。ひとつ上とはいえたいして年の変わらぬ人があれほど見事なスピーチをするのにも感心したし、壇上に上がり挨拶を終えてさがるまでの一挙手一投足がとても洗練されていて優雅であった。 その時はただ気になる存在であったのだが、気づけばずっと彼の姿を捜していた。たいていの生徒が嫌がる集会が、彼に会えるというだけで陽子には楽しみで、彼が壇上に上がってくるたびに陽子はひとりドキドキと落ち着きをなくしていたものだった。
 そして陽子は、彼に少しでも近づきたくて生徒会に入ったのだ。
 動機が不純だとは自分でも思う。だからこそ陽子は、人の何倍も真面目に生徒会の仕事に取り組んだのだ。ただ共有できる時間があることだけでよしとして、不純な動機を誰にも悟られないために。
 ゆえに陽子はいままで、彼にチョコを渡すなんて考えたことはなかった。でも、彼はもうすぐ卒業してしまうのだ。それを考えた時、自分の思いにただ静かに蓋をしてしまうのはなぜだかとても苦しかった。
 「愛を告白する日」などといっても、今では「義理チョコ」だの「友チョコ」だのといって、誰彼フランクにチョコを渡しあっているのだ。「今までお世話になったお礼」という名目をつけて彼にチョコを渡すのはおかしくない気がした。


 とはいえ、理由を色々つけたとしても自分の中では本命だ。それを思うだけで何ともいえない羞恥が沸いてきて、チョコ購入は陽子にとって大きな試練となった。
 最初は陽子とて、いろいろな高級チョコが並ぶ駅前のデパ地下へ行こうとしたのだ。しかし、陽子にしてみればかなりの一大決心をしてデパートへと向かったのだが、最寄りの駅に降り立ったとき、何人か見知った顔を見かけてしまったのだ。友達と連れだって浮かれた様子でデパートへ向かっていくその姿を見れば、目的は一目瞭然だった。行けば鉢合わせするだろう。チョコを買っているのを誰かに目撃されるなんて、陽子にとっては恥ずかしすぎて耐え難いことであった。
 気がついた時には陽子はその場を逃げ出すように駆けだし、行き先も確認せずに来た電車に飛び乗っていたのである。
 知り合いに出会うことを恐れるあまり結局一時間近くも電車に揺られることになった陽子は適当な駅に降り立ったが、今度は地理がわからずにどこでチョコが買えるのか見当がつかない。見知らぬ地を所在なさげにふらふらとしていれば補導される可能性もあるわけで、補導されるということも、補導されて親に連絡が行くことも、連絡を受けた親に何でこんな所をうろついていたんだと問いただされることも何もかもが怖くて、いかにも地元の子ですという振りをしつつ道を歩いていれば、結局コンビニしか見つけられなかったのである。
 しかもコンビニに入ったら入ったで、今度は店員の目が気になり入り口付近に並んだバレンタインチョココーナーの前に立つことができない。いくら「別の用事できました」という振りをしてコーナーの前を通り過ぎざまにチェックしても、商品を手にとってレジへと持って行かねば意味がないのだ。しかしその勇気を出すまでにかなりの時間が必要で、結局欲しくもないキャラメルばかりを買って五軒もコンビニを回る羽目になり、しかも実際チョコを買った時も、雑誌を買いに来たついですと言い訳よろしく読んだこともないファッション雑誌をいっしょに購入したのであった。
 実は、コンビニを五軒もふらふらとしている間に、普通の板チョコを買って手作りするということも考えなかったわけではない。普通の板チョコなら店員に変に勘ぐられることもないだろうと思ったのだ。だが、手作りする場はどう考えても自宅であり、自宅でこの時期にチョコを手作りしていれば今度は親が変に勘ぐるだろう。うまい言い訳なんて自分にできるとは思えなかったし、厳しい両親が本当のことを知れば激しく説教されるのは目に見えていた。
 かといって親の目を盗んで夜中にこっそり、なんてことも不可能だ。
 つまり陽子にとっては、コンビニチョコとはいえ、散々葛藤した末にようやく手に入れられたものだったのである。
 でも、そんなものは相手にとって何の付加価値にもならないだろう。コンビニチョコはどうやってもコンビニチョコだ。考えてみれば、とてもひとつ上には見えないくらい落ち着いた大人な雰囲気のする彼が、コンビニチョコをもらって喜ぶとは思えない。
 いや、大人な人だから気遣って受け取ってはくれるかもしれないが・・・・・・
 それでも彼に用意したものがコンビニチョコだというのは、自分があまりに子ども染みている気がしてならなかった。


◇     ◇     ◇


 一日中渡そうか渡すまいかと悩んでいるうちに、あっという間に放課後になってしまった。今日の放課後は幸か不幸か生徒会活動が入っているのだ。今日のこの日に意識せずに相手の顔を見るなんて不可能じゃないかと思い、いっそさぼってしまおうかと思ったが、根が真面目な陽子に活動をさぼることはできなかった。
 必死に平静な振りをしていた陽子だが、活動の間中全身で彼を意識していた。そして改めて間近で彼を見れば、やはりこのままチョコを渡さずに終わるのは何だか嫌だという気持ちがわいてくる。しかし実際いつ渡せばよいのかと考えた時、うまいタイミングが思いつかない。他人の目があるから、まさか活動中になんてことはできないし、帰っているところを追いかけてというのもなんだか必死すぎる。「お世話になったお礼」という名目をつけたいのだから、さらりと意味深でないタイミングで渡したいのだが、考えれば考えるだけどのタイミングで渡したらいいのかわからなくなって来るのであった。
 そうこうしているうちに活動も終わりを迎える。みな帰り支度を始めるなか、陽子も筆記具をしまうために鞄を開けると、奥に押し込まれているチョコがちらりと見えた。それを見やって陽子は、我知らずため息をつく。その時、
 「中嶋さん」
 呼ばれて顔を上げれば、いつの間にか会長が側に立っているではないか。陽子は驚いて目を見開き、はっと気づいて慌てて鞄を閉めた。
 奥につっこんでいるのだからまさか見えなかったとは思うが、それでももし見られていたら、と思ったら心臓が早鐘のように全身を打った。
 一人慌てている様は、彼の目にさぞ滑稽に映ったことだろう。彼がわずかに苦笑したのが陽子の目に映った。それを見て陽子は恥ずかしくなってしまった。
 「は、はい。なんですか」
 おずおずと問いかければ、生徒会の会計簿を差し出される。それに視線を落とせば、彼はすらりとした指である箇所を指し示した。
 「悪いんだけど、ここ、見直してもらえないかな。どうも計算が合わないようだ」
 それを聞いて陽子ははっとした。いつもは必ずするチェックを今日は怠っていたのだ。しかもずっと気持ちがふわふわしていて、計算時も別のことばかり考えていた。
 「済みません。すぐやり直します」
 陽子は会計簿を受け取ると、彼から目をそらすようにうつむいた。
 会計の仕事は浩瀚自らが陽子に任せたものだ。その時の彼の言葉が「会計は信頼できる相手でないと任せられない」というもので、陽子はその信頼に応えるべくいつも細心の注意を払い、1円も不明金を出さないように生徒会のお金を管理してきたのだ。
 会計簿のミスは、その彼の信頼を裏切るようなもの。陽子にとって許せない失態であった。
 そんな陽子の落ち込みを彼は察したのだろうか、
 「君が間違えるなんて珍しいが、まあ、間違いは誰にもあることだ」
 そう言って陽子の肩にぽんっと手を置くと、他の面々に視線を向けた。
 「ということで中嶋さんには少々居残りをしてもらうが、みんなは帰ってもらって構わない。ここの戸締まりは私が責任を持ってやっておくから」
 その言葉にみなが安堵する気配が伝わってくる。今日は少々時間がおしていて、辺りはすでに暗くなり始めていたのだ。
 「そう、じゃあよろしくね」
 皆の気持ちを代弁するように副会長の彼女が笑う。
 「それと、あんまり中嶋さんをいじめないように」
 「失礼だな」
 いくつかの軽口が飛び交ったのち、生徒会室ははからずも浩瀚と陽子の二人きりになった。


◇     ◇     ◇


 間違いは幸いにして、たいしたものではなかった。自分で二度チェックを入れて、会長のチェックを無事通過するまでに十五分もかからなかっただろう。
 彼に無為な時間をさほど過ごさせずに済んだことに陽子はひとりほっとした。
 「お手数をおかけしました」
 「なに、これも会長の仕事だ」
 彼は軽やかに笑う。こんなところも大人だな、と陽子は思う。
 いつも冷静沈着で、さらりとした気遣いのできる人なのだ。物言いは時々辛辣で、争い事の苦手な陽子ははらはらする時もあったが、そんな時でも理路整然としていて感情的になるところなど見たことがない。だからといって冷たい人というわけでもなく、活動中にはしょっちゅう執行部の人達と冗談を言い合っていたし、学校の行事等では生徒の気持ちを汲んで学校と何度も掛け合う情熱的な姿を見せたこともある。
 そしてスピーチは、いつだって高校生とは思えない見事なものだった。
 陽子は改めて帰り支度のために鞄を開き、奥につっこんでいるチョコをちらりと見た。
 渡すなら今しかない。
 そう決心して顔を上げたその時、手早く荷物をまとめていた彼がふと視線をあげて陽子を見た。
 「先に出てくれるか。電気を消して出るから」
 「あ・・・、はい」
 言外に、急いで、と言われているようで、陽子はたちまち渡そうとした決心を鈍らせる。もう一度ちらりとチョコを見たが、荷物をしまってそのまま鞄をしめた。
 しんと静かな廊下に、パチパチっとスイッチを押す音が響き、教室の照明が落ちる。非常灯だけがともる廊下はそれで一気に暗くなって、彼は暗がりで閉めにくそうにして教室の鍵をかけた。
 「すっかり暗くなってしまったな」
 呟いて彼は陽子をふり返る。
 「駅まで送ろう」
 その言葉はあまりにも突然で、陽子は一瞬きょとんとしてしまった。しかしすぐに我に返り、そんなの悪いですから、と陽子は断ろうとした。彼の帰り道が駅とは逆であることを陽子は知っていたのだ。だが、
 「鍵を職員室に返してくるから、昇降口で待つように」
 いいね、と念を押すように言われてしまうと、陽子はうなずくしかなかった。
 

 考えようによっては、これはチャンスかもしれない。
 陽子は昇降口に向かいながら鞄の奥のチョコを脳裏に浮かべた。
 彼が来た時に渡そう。そう、さりげなく。今までのお礼だとひと言添えて。
 その場面を頭の中で何度も思い浮かべて一人リハーサルを繰り返し、陽子は昇降口で彼を待った。
 彼はさほど待つことなく現れる。
 暗がりの廊下をこちらへゆっくりと歩いてくる。その彼の姿を確認して、陽子の緊張は一気に高まった。心臓が口から飛び出してしまいそうだったが、この機会を逃したらきっと自分は後悔する。そう何度も自分に言い聞かせて、逃げそうになる自分の心を励ました。
 柱の影から一人の少女が突然飛び出してきたのはその時であった。


◇     ◇     ◇


 「これ、受け取ってください!」
 少女は唐突にそう言うと、浩瀚にチョコの包みを差し出した。
 シックな包装のされたそれは、見ただけでブランドチョコだとわかる。彼女が本気であることは一目瞭然だった。
 陽子は突然の目の前の出来事に驚き、そして身を固くした。
 彼は何と応えるのか。
 それを聞きたくもあり、聞きたくもなかった。
 チョコを差し出したまま固まっている彼女同様、緊張しながら浩瀚の答えを待っていると、低く静かな彼の声が耳に届いた。
 「それは、義理なのかな。それとも―――」
 「本命です!」
 きっぱりと言い放った少女の言葉に、陽子はドキリとした。
 それと同じくらい、彼に正面から向かっていける彼女がうらやましかった。
 「・・・・・・そう。悪いけど、それなら受け取れないな」
 彼が小さく苦笑するのが陽子にはわかった。
 「義理だというなら受け取れるけど」
 「―――――――――本命がいるんですか?」
 「まあね」
 「・・・・・・」
 一瞬の沈黙ののち昇降口に激しい音が響いた。彼女が慌ただしく靴を履き替え、その場を逃げだすように駆け去っていったのだ。
 静かな廊下に、金属製の靴箱の戸が荒々しく閉じられた余韻が残る。その余韻がまだ消えやらぬ中で、浩瀚は何事もなかったように陽子の前に立った。
 「待たせたね。帰ろうか」
 何度も何度も頭の中で繰り返してきたリハーサルはすでに無駄になっていて、陽子はこの場でチョコを出すことはできなかった。
 二人は連れだって校門を出る。二人の間に会話はなかった。浩瀚は何も言わずに少し先を歩く。その彼の後に黙ってついていきながら、陽子は先ほど見た光景を何度も脳裏に思い浮かべていた。
 (―――本命がいるんですか?)
 (まあね)
 そのフレーズが、しつこいくらいに繰り返される。
 その中で陽子は、やっぱり、と思った。
 頭のどこかで、彼には好きな人がいるのだろう、というのはわかっていたのだ。なぜなら、生徒会活動のちょっとした雑談の中で、そんな気配を漂わせる会話をしていたことがあるのだ。
 確か「会長ってもてるでしょう?誰ともつき合わないんですか?」ということを誰かが聞いた時だったと思う。彼の返事ははっきりとしたものではなかったが、好きな人がいるという雰囲気を感じさせるようなものだった。
 ただ、それを聞いたのがつい最近の話なら、陽子だって最初からチョコを渡そうなんて思わなかっただろう。その話を聞いたのは一年も前の話なのだ。
 ということは、その時からずっとその人が好きなのだろうか。それとも、また別の誰かを好きになっているのだろうか。
 あるいは、自分が知らないだけで彼女がいるのだろうか。
 それを考えた時、陽子は胸がきゅっと締め付けられる思いがした。
 そっと視線をあげて前を行く彼の背中を見る。その背中越しに煌々と明かりをともす駅舎がもう見えていた。


 陽子の頭の中で、先ほどの出来事と鞄の中のチョコがせめぎ合っていた。
 駅までもうあと数メートルもない。結局このまま渡せずに終わるのだろうか。
 陽子の脳裏に、ここに至るまでの色んなことが走馬燈のように過ぎ去る。
 うつむいてしばし逡巡していた陽子だったが、やがて意を決したように表情を引き締めて顔を上げた。
 「・・・・・・あの」
 陽子の呼びかけに浩瀚がふり返る。
 立ち止まった陽子にあわせるように、彼もまた立ち止まった。
 「あの、義理ならもらうと先ほど言ってましたよね」
 浩瀚は一瞬何の話かという顔をして、ああ、と呟いた。
 「さっきの話?」
 陽子はうなずく。そして鞄からチョコを取り出した。
 「あの。・・・・・・これを」
 陽子がチョコを差し出せば、彼の視線が陽子の手元に落ちた。
 「・・・・・・それは義理なの?」
 しばしの間があって彼が問う。陽子は頷こうとして唇をかんだ。
 義理、といわねば彼が受け取ってくれないことはわかっている。でも、なぜだかどうしても義理とはいえなくて、陽子は頷くことができなかった。だから、
 「お世話になったお礼です」
 視線をそらしてそう言えば、彼が苦笑する気配がした。
 「―――義理なら受け取れないな」
 「え?」
 思いもしなかった答えに、陽子は思わず顔を上げて浩瀚を見た。
 でも、さっき・・・・・・、と言いかけると、彼が困ったような笑みを浮かべた。
 「本命の子から義理チョコをもらうのは寂しすぎるだろう?」
 陽子はもはや言葉を失って、ただただ彼を見つめることしかできなかった。
 そんな陽子に浩瀚は優しく笑う。
 「で、それは義理なのかな?それとも―――」


 それから数分後。仲良く手を繋いで駅舎の人混みに飲まれていく若いカップルの姿があった。
 彼女の方はかなり照れた様子で、うつむき加減ではあったが―――

 
 
 
 

パラレル学園ものです。本編では浩瀚→陽子なので、バレンタイン企画として陽子→浩瀚を 書いてみました。
パラレルは言葉使いが難しいですね。陽子もあり得ないくらい、乙女だし(笑)

 
 
     
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