(注:今回浩瀚が変態暴走しています。大人だと自覚のある方のみご高覧下さいますようお願いいたします。)
やるべきことが決まれば、日々はその準備にあわただしく過ぎていった。そして、三人での話し合いがあった四日後の深夜、陽子は州城をひそかに後にして清谷に身を移すことになった。人目を避けるためだ。その移動に関して柴望は、浩瀚が北宮から禁門まで陽子を連れて行ったあとは、桓?と玉葉に任せるように主張した。しかし長らくの別れになる最後の夜。それはあんまりだと、浩瀚は自分で清谷まで送ることを譲らなかった。
結局は柴望が折れた。
夜も深けた頃、浩瀚はひそかに後宮へとわたった。月の明りを頼りに人気のない回廊を行く。その道すがら、浩瀚はこの期に及んでも内心はゆれていた。いや、別れが目前に迫ったこの時だからこそ、浩瀚の心は激しく揺れた。柴望の言う通り慶の混乱はこの後どのくらい続くかわからない。二年、三年と言わず、半年もそばになければ、陽子に新たな男が現れてさっさと自分のものにしてしまうかもしれない。雁にいけば戸籍が得られるということは、その危険も孕んでいることにいまさらながら不安が募る。
―――いっそのこと、今夜。
身の内をままならぬ熱が突き上げた。一気に血がたぎる。人に取られるくらいならいっそ、つぼみを無理にこじ開けて、今夜の内に自分のものにしてしまいたかった。
ああ、と声を漏らしながら浩瀚は、彼女の黄金の肌を愛でる自分を想像した。首筋を下って胸のふくらみを堪能し、頂を親指の腹でこすって舌で優しく転がしてやれば、彼女はどんな声を上げるだろうか。二つの乳房を交互に甘く刺激しながら同時に腿をなで上げて彼女自身が足を開くのをゆっくりと待ち、現れた花芽を愛撫する。指で、舌で。やがて花は蜜で潤って得も言われぬ芳香を放つだろう。
想像するだけで、浩瀚の男の証が熱を帯びた。これでもかというほどに膨らんで、痛みさえ感じた。
この熱を早く開放したい。しかし開いたばかりの花に無理をすれば、苦痛だけが残るだろう。己の欲望を押さえ込んで、ゆっくりとゆっくりと開かせるのだ。指に、舌に、蜜を絡ませながら。そして、この行為が深い愛の行為であり、心を体を開放するものであることを教え込み、己の体に充分慣れたところで、深く深く彼女の身の内に己を沈めるのだ。
彼女は熱くとろけるように、それでいながらきつくきつく己を包み込むに違いない。
―――ああ!
浩瀚は回廊を行く足を速めた。もう、我慢ができなかった。
体中に己の物だという証をつけよう。もう周りの誰がなんと言おうとかまうものか。
―――陽子は私のものだ。
浩瀚は心の中でその言葉を繰り返した。やがて陽子のいる堂屋が見えた。わずかな明りが漏れるその部屋に浩瀚は静かに身を滑り込ませると内からそっと鍵をかけた。そもそもここには誰もこられない。しかし、万が一にも誰にも邪魔されたくなかった。朝までたっぷり彼女を愛でるのだ。そして雁行きはなくなったと、浩瀚は皆に言うつもりだった。
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